
1.導入

『王様のブランチ』では、ジャッキー・チェン主演のアクション映画『パンダプラン』(1月23日公開)と、遠藤憲一ナレーションのドキュメンタリー『パンダのすごい世界』(2月6日公開)の2本が大きく取り上げられました。
ちょうど上野動物園の双子パンダ(シャオシャオ・レイレイ)が1月27日に中国へ返還される直前というタイミングです。
紹介されていたのは、下記の2本の映画です。
・パンダプラン(1月23日公開)

・パンダのすごい世界(2月6日公開予定)

一方はアクション映画、一方はドキュメンタリー。だが共通しているのは、中国の「国宝」であるパンダを、徹底的に「守るべき愛らしい存在」として描き、中国の保護活動の素晴らしさを強調している点です。
もちろん、ただのパンダ特集として2本の映画を紹介した。そのように考えても良いでしょう。
実際に、『パンダプラン』は2024年に中国で公開された商業映画で、日本公開が2025〜2026年頃にずれ込んだ一般的な配給スケジュールです。ジャッキー・チェン主演のコメディアクションとして宣伝されており、プロパガンダ色が極端に強い作品とは言えません。
また、『パンダのすごい世界』は中国のジャイアントパンダ保護研究センターを舞台にしたドキュメンタリーで、保護活動の成果を強調するのは自然な内容です。日本版ナレーションを遠藤憲一氏が担当している点からも、商業的な映画興行の一環として位置づけられます。
しかし、今このタイミングでの放送となると、確証がある話ではないことを前提として、やはり違和感が残ります。
2.パンダ外交とは? 歴史的背景と現状(2026年現在)
パンダ貸与は1972年の日中国交正常化以来の「ソフトパワー」戦略として知られています。
近年は契約更新が難航するケースも増えています。
2025年末から2026年にかけ、上野・アドベンチャーワールド・神戸王子動物園など複数のパンダが返還期限を迎え、日本国内のパンダは一時的にゼロとなる見込みです。高市首相の台湾関連発言が影響したとの見方もあり、日中関係の緊張が背景にあるとの分析が主流です(出典:各種報道)。
参考:上野動物園公式返還情報ページ
3.ゼロパンダ時代の日本における今回の放送タイミングを疑うのは陰謀論?
今、日本は「ゼロパンダ時代」に突入しようとしています。上野のパンダたちが返還されるこの繊細な時期に、なぜTBSはこの2作を手厚く紹介するのでしょうか。
ここには、中国による戦略的な意図が透けて見えると言ったら陰謀論が過ぎるでしょうか。
「パンダがいなくなって寂しいだろう? ならば、関係を改善して新しいパンダを借りればいい」
そんなメッセージを、エンターテインメントの皮を被せて国民の意識に刷り込んでいるようにも見えます。
4.TBSの放送意図に疑問を感じてしまう私
かつてのアクションスターでありながら、今は親中派の立場を鮮明にしているジャッキー・チェンを起用した『パンダプラン』を、このタイミングで流す意義。
そして、中国ジャイアントパンダ保護研究センターが全面協力したドキュメンタリー『パンダのすごい世界』を並べる。
TBSの放送姿勢にも、いささかの疑問を抱かざるを得ません。 メディアは中立であるべきです。
しかし、パンダ外交という名の政治的圧力が強まる中、その片棒を担ぐかのように魅力を煽り立てる番組作りのように見て取れます。
そこには、特定の外交的文脈への配慮が感じられてしまう自分がいます。
5.TBS側の商業的判断の可能性
一方で『王様のブランチ』は映画宣伝コーナーが定番です。
公開直後・直前の映画を優先するのは視聴率狙いの自然な選択です。
6.おわりに
陰謀論に傾倒したくはありません。
しかし、パンダの「愛くるしさ」の裏側には、確かに外交的な文脈が存在します。しかし、同時に本物の保護活動の成果や、映画としてのエンターテインメント性も確かです。
返還後の「ゼロパンダ時代」を機に、私たちもパンダとの関わり方を改めて考える良い機会なのかもしれません。
何事も過敏に反応していては生きづらいです。
しかし日常の小さな違和感を見逃すことも時としてリスクになりえます。
バランスよく丁寧に生きていきたいものです。