地球温暖化は本当に人為的なのか?|IPCC科学的事実と、疑っていた私の思考の更新 ――アメリカのパリ協定再離脱(2026年1月)をきっかけに

地球温暖化は人為的か?IPCCが示す科学的根拠とCO2・排出量取引制度の論点
地球温暖化について学びなおしたT-Kuma

1.導入

私は長い間、「地球温暖化の原因が二酸化炭素だ」という説明に、どこか胡散臭さを感じていました――しかし、2026年1月の米国パリ協定再離脱をきっかけに、IPCCなどの一次資料を読み直し、考えを更新することになります。

米国は2026年1月27日、パリ協定から正式に離脱しました。これはトランプ政権が2025年1月27日に国連へ離脱通告を行い、規定の1年経過により確定したものです(出典:国連発表および主要メディア報道)。

本稿では、この出来事をきっかけに、私自身が調べ直し、考えを更新していった過程を整理してみたいと思います。

私も当初は温室効果ガスの役割に懐疑的でしたが、IPCCをはじめとする信頼できる機関の報告書を参照し、事実を確認する過程で見解を更新してきました。

news.yahoo.co.jp Yahoo!ニュース(2026年1月27日8:55配信、共同通信)

記事概要

米国は2026年1月27日、パリ協定から正式に離脱した。トランプ政権が前年に国連へ離脱通告を行い、規定期間を経て確定した形となる。米国は温室効果ガス排出量で世界第2位の規模を占めており、この離脱は国際的な気候変動対策に深刻な打撃を与えるとみられる。特に、地球温暖化を1.5度以内に抑える目標達成が一層困難になると指摘されている。

2.地球温暖化問題について(科学的コンセンサスの整理)

ここからは、私の印象や感想を一旦脇に置き、現在の科学的コンセンサスだけを整理します。

①概要

地球温暖化問題とは、人間の活動によって温室効果ガス(CO2など)が増えすぎ、地球全体の平均気温が上がってしまう現象と、それによって引き起こされる様々な悪影響のことです。

②なぜ起こるのか(原因)

・温室効果ガスの増加

石炭や石油などの化石燃料を燃やすことで出る二酸化炭素 (CO2) が、本来宇宙へ逃げるはずの熱を閉じ込めてしまうためです。

・森林破壊

木がCO2を吸収できなくなるため、さらに温暖化が加速します。

③何が問題なのか(影響)

・異常気象

猛暑、巨大台風、大雨による洪水や深刻な干ばつが増えています。

・海面上昇

南極や北極の氷が溶け、海面が上がることで、島国や沿岸部が沈む危険があります。

・生態系の変化

植物や動物が今の環境で住めなくなり、絶滅の危機にさらされます。

・健康被害

熱中症のリスクが高まるほか、熱帯地域の感染症(マラリアなど)が広がる恐れもあります。

④私たちができること(ミクロな対応)

・省エネ

経済産業省 資源エネルギー庁が推奨するように、電気をこまめに消したり、冷暖房の設定温度を工夫したりすることが有効です。

・ゴミの削減

モノを作る際や燃やす際に出るCO2を減らすため、リサイクルやリデュースを意識しましょう。

⑤コンセンサスについて:科学的な合意は取れているのか?

IPCC第6次評価報告書(AR6、2021-2023年公表)では、人間活動による大気・海洋・陸地の温暖化は「疑う余地がない(unequivocal)」と断定されています

この表現は、これまでの報告書で用いられた「極めて高い確信度」からさらに強化されたものです。

主要な気候科学者の合意率は、査読済み論文分析により97%から99%以上とされ、近年の調査でもこの水準が維持されています(NASA、WMO等主要機関の見解一致)。 なお、2024年は観測史上最も温暖な年となり、産業革命前比で約1.55℃の気温上昇が確認されています(WMO・気象機関データ)。

・社会的コンセンサスと現状

科学的な合意は強固ですが、一般市民の認識や対策の優先順位には依然としてばらつきがあります。

認識の乖離:一部の国では、科学者の合意率を実際よりも低く見積もる傾向が依然として見られます。

政策の動き:日本政府もこのコンセンサスに基づき、2025年2月に「地球温暖化対策計画」を閣議決定し、2035年度までに温室効果ガスを60%削減(2013年度比)する目標を掲げています。

3.二酸化炭素の排出について

①排出の現状と課題

・主な原因

石炭や石油などの化石燃料の燃焼が、全CO2排出量の約90%を占めています。

・タイムリミット

現在の排出水準が続けば、気温上昇を1.5度以内に抑える目標はわずか数年で突破される恐れがあると警告されています。

・国際情勢

日本は対策を推進していますが、米国がパリ協定から再離脱するなど、国際的な協力体制に変化が生じています。

②日本の削減目標と新たな規制

日本政府は「2050年カーボンニュートラル」に向け、段階的な目標を掲げています。

・削減目標

2030年度に46%削減(2013年度比)、2035年度には60%削減を目指しています。

・2026年度の転換

法律に基づく排出量取引制度(GX-ETS)が本格化し、一定規模以上の企業には排出枠の償却が義務化されます。これにより、CO2排出が企業にとって直接的な「コスト」となります。

4.二酸化炭素の排出量取引制度(GX-ETS)について

排出量取引制度は、

「二酸化炭素を減らすこと自体を直接の目的にする制度」ではなく、

減らす行動に経済的な意味を持たせる仕組みを、市場に組み込む制度です。

具体的には、政府が企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を割り当て、その枠の過不足分を企業間で売買(トレード)する仕組みです。 日本では「GX-ETS」という名称で導入が進んでおり、2026年度から大きな転換期を迎えます。

①日本の制度(GX-ETS)の仕組み

これまでは企業の自主的な参加に任されていましたが、2026年度からは義務的な制度(第2フェーズ)へと移行します。

・対象企業

年間のCO2排出量が10万トン以上の企業(約300〜400社)が中心となります。

・取引の流れ

政府が各企業に「排出枠(排出してもよい量)」を配分します。

排出量を枠内に抑えた企業は、余った枠を売却できます。

枠を超えてしまった企業は、他社から枠を購入するか、J-クレジットなどを調達して埋め合わせる必要があります。

・価格の管理

取引価格の激しい変動を抑えるため、1トンあたり1,700円〜4,300円程度の上下限価格が設定される見通しです。

②メリットとデメリット

メリット:

社会全体での効率的な削減: 削減コストが低い企業が積極的に減らし、高い企業がその枠を買うことで、社会全体として最も安く目標を達成できます。

イノベーションの促進: 排出枠が「価値」を持つため、新しい脱炭素技術への投資意欲が高まります。

デメリット:

企業のコスト増: 削減が困難な産業(鉄鋼、化学、電力など)にとっては、排出枠の購入が大きな経営負担になるリスクがあります。

制度設計の難しさ: 排出枠を甘く設定しすぎると削減が進まず、厳しすぎると企業の国際競争力を削ぐ恐れがあります。

③今後のスケジュール

・2026年度

第2フェーズ開始。主要企業の参加と排出枠の償却が義務化。

・2033年度頃

発電部門を対象に、排出枠を有償で買い取る「有償オークション」の導入が予定されています。

5.私が引っかかった点(ここからは個人の違和感)

ここからは、科学的な合意を踏まえた上で、それでも私が引っかかった点を書きます。

①地球温暖化問題について

まず、わたしの体感としても温暖化は進んでいると感じる場面は確かにあります。

私がかつて長野県に住んでいた時、松本城のお堀の話を聞きました。

昔は冬になると、お堀に氷が張るのでスケートができた、今はできない」なんて話です。

同じく長野県の諏訪湖においても、近年は湖が凍ってヒビが入る「御神渡り」が発生していないことについては、以前触れたところです。

北国に住む私としても、近年の夏の厚さは耐えがたいものがあり、エアコンの導入を検討しているところです。

②二酸化炭素の排出取引制度について、私が最後まで納得しきれなかった点(※現時点の理解に基づく個人的な疑問)

しかし、要因が二酸化炭素の排出、そして対策としての取引制度になると、疑わしさが生じてしまう自分がいます。

前述において、地球温暖化の要因が温室効果ガス(二酸化炭素)であることについて、科学的にほぼコンセンサスが取れているという情報を得て、私は正直驚いたところです。

私の感覚では「二酸化炭素が地球温暖化の要因であることは、うさん臭い陰謀論めいた説」だと思っていたのですから、まさに隔世の感があります。

私はどうしても目に見えないもの、感じ取れないものについては疑わしく思ってしまうところがあります。

最後に残る疑惑は「排出量取引」です。

どうしても言葉遊び、数字遊びのようなニュアンスを感じてしまいます。

例えば、排出量の削減値を稼ぐには、植林や太陽光発電が主な手法です。

私の疑問について調べてみました。

・植林効果の疑惑

Q. 植林によるCO2吸収量の計算は妥当か?

  1. 植林クレジットの多くは、長期的な生存率や追加性(植林しなければ吸収されなかったか)の評価に不確実性が残り、「どんぶり勘定」と批判されるケースが存在します。そのため、国際的な投資トレンドは植林からCCS(炭素回収・貯留)やDAC(直接大気回収)へ移行しつつあります。一方、質の高い植林プロジェクト(例: 科学的モニタリング実施)は有効とされ、グリーンウォッシュ※防止のための第三者検証が強化されています(参考: IUCN-J、Verra等基準)。

※グリーンウォッシュ:企業が実際の排出削減を伴わず、低品質のクレジットを購入して「カーボンニュートラル」を主張する行為に対し、環境団体から厳しい批判が集まっています。

参考: 国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)HP www.iucn.jp

・太陽光パネルの採算性の疑惑

Q. 太陽光パネルのライフサイクル全体でCO2削減効果は本当にあるか?

  1. 国立環境研究所等のデータによると、パネル製造・輸送・廃棄を含むエネルギー・ペイバック・タイムは約1〜2年、CO2ペイバックも同様です。寿命20〜25年を考慮すれば、ネットで大幅な削減効果が得られます。ただし、鉱物採掘や廃棄処理の環境負荷を最小化するためのリサイクル技術向上が課題です。

参考:環境エネルギー政策研究所HP rec.isep.or.jp

太陽光パネルが廃棄も含めてペイできているという知見には正直驚きました。

そして植林による計算が思いのほか妥当性が疑われていることも意外でした。

科学的知見は常に更新されるため、柔軟な視点を持ち続けたいと思います。

個人レベルでの省エネや選択的消費が、社会全体の変革に繋がることを信じています。

6.おわりに

さて、私は今、一人部屋で暖房をつけてこの文章を綴っています(設定温度16度)。

これもまた温暖化対策という意味では非効率でしょう。

効率を追求するなら、「大部屋一つに大勢の人を押し込んで生活させた方が効率的」なはずです。

しかし効率を極めると、そこにはディストピア(ユートピア:理想郷の対義語)が見えてきます。

「持続可能性のある社会」、そして「程よい塩梅」とは何か?改めて考えさせられるニュースでした。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました🐻

※本記事は、現時点で入手可能な科学的知見と私自身の理解に基づいています。 新たな事実や制度変更が確認でき次第、随時更新します。