
「日本のCO2排出なんて大したことない」——本当にそうでしょうか?
2025年9月に公開されたEDGARレポート最新データに基づく、世界CO2排出量ランキングを3つの視点で徹底解説します。
総量では中国が圧倒的1位、1人あたりではパラオが1位、そして富裕層と庶民層の格差は最大40倍超。
日本は総量8位という意外な位置づけとなりました。
1.はじめに:私自身は地球温暖化問題に懐疑的
①自身の行動や思考はシンプルに、社会のシンプルな理屈は警戒する私
まず私の主義主張や思想になりますが、「地球温暖化はCO2、二酸化炭素の排出が主要因」というシンプルな考え方には疑問を持っています。
自身の思考や行動はシンプルな方が良い、分かりやすいほうが良いと思う私です。
その方が、発達障害を抱えて生きづらい私にとって、生存するためのコストが少なくて済むからです。
しかしそこに現実、つまりはお金が動いたり経済活動が伴うと話は別です。
耳に心地よいシンプルな理屈で増税されたり、知らないところで損を被るのは勘弁してほしいところです。
そのため、地球温暖化問題とその解決策については、疑いの目を持っています。
②この記事はどんな話?
そんな疑問を持っている私ですが、Xのポストで次のようなニュアンスの投稿を見かけました。
「日本のCO2排出量なんて大国に比べて、たかが知れてる。日本の対策は意味がない」
確かに、日本だけがCO2排出量をたとえ半分にしても、大量排出国の改善が進まなければ、地球全体への影響度は僅かでしかありません。
改めて「犯人探し」をしてみたいな、と底意地の悪い私の気持ちが動いて、この記事を書くことにしました。
すると見えてきたのは意外な結果でした。
この記事では、「CO2の排出が地球温暖化に影響がある」という前提に基づき、その排出量を異なる観点で見ることで新たな知見を得ようとする試みです。
「日本の対策は意味がない」という言葉の真偽を確かめるべく、2025年9月に公開された最新の国際レポート(EDGAR 2025)を紐解きました。見えてきたのは、単なる数字の羅列ではない、世界の歪な構造でした。
しかし、国単位で見るだけでは本質は見えません。国内の“富裕層と庶民”の差はどうでしょうか。
2.世界の見方はこうも変わる?2024年CO2排出量ランキングを3つの視点で比較
なお、以降のデータの基本的な出典は、EDGAR 2025 Report (GHG emissions of all world countries)であり、2024年以前のデータを纏めた内容です。文末にリンクを添付しております。
①【国別総量】2024年CO2排出量ランキング|中国30.7%・日本1.9%の現実

| 順位 | 国・地域名 | 排出量 (Mt CO2eq) |
シェア | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 中国 | 16,345.5 | 30.7% | 増加 |
| 2 | アメリカ | 5,888.3 | 11.1% | 減少 |
| 3 | インド | 4,298.4 | 8.1% | 増加 |
| 4 | EU27カ国 | 3,164.7 | 5.9% | 減少 |
| 5 | ロシア | 2,716.2 | 5.1% | 増加 |
| 6 | インドネシア | 1,259.9 | 2.4% | 増加 |
| 7 | ブラジル | 1,299.2 | 2.4% | 微増 |
| 8 | 日本 | 1,012.7 | 1.9% | 減少 |
| 9 | イラン | 1,028.1 | 1.9% | 増加 |
| 10 | サウジアラビア | 823.5 | 1.5% | 増加 |
出典:EDGAR 2025 Report
想像通りの中国1位と、思いのほか排出量の少ない日本8位
少し意外だったのは、インドネシアって日本よりも排出量が多いことや、ロシアも「結構やらかしているなぁ」という印象でした。
さて、このシンプルなランキングでは、「中国、米国、インドがなんとかしろよ!」と思ってしまいがちです。
自分勝手な感覚ですが、日本よりも多い諸外国にはCO2削減への尽力を求めたいところです。
では、特定の国を一方的に悪者扱いすれば良い話でしょうか?
例えば人口比率で見て「一人あたりの排出量が多い国」こそが問題なのでは?
私はそう考えました。
②2024年1人あたりCO2排出量ランキング|パラオ62.1t・中東諸国が上位を独占
先ほどの「総排出量」とは顔ぶれがガラリと変わります。
人口が少なく、石油・ガス産業が盛んな中東諸国や、広大な土地と資源を持つ国が上位を占めるのが特徴です。
| 順位 | 国名 | 1人あたり (t CO2eq) |
総排出量 (Mt CO2eq) |
推計人口 (百万人) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | パラオ | 62.1 | 1.1 | 0.018 |
| 2 | カタール | 42.8 | 114.7 | 2.68 |
| 3 | クウェート | 24.5 | 118.8 | 4.85 |
| 4 | サウジアラビア | 22.8 | 823.5 | 36.1 |
| 5 | オーストラリア | 22.3 | 591.4 | 26.5 |
| 6 | ブルネイ | 21.0 | 9.4 | 0.45 |
| 7 | バーレーン | 20.7 | 64.4 | 3.11 |
| 8 | アラブ首長国連邦 | 20.2 | 211.3 | 10.4 |
| 9 | カナダ | 19.8 | 748.2 | 37.8 |
| 10 | ロシア | 18.0 | 2,716.2 | 150.7 |
出典:EDGAR 2025 Report / 推計人口データ含む
参考数値:
- アメリカ:約17.3 t (11位相当)
- 中国:約11.3 t
- 日本:約8.1 t
- 世界平均:約6.6 t
データから見える面白いポイント
- 産油国の圧倒的な数字:カタールやクウェートなどの中東諸国は、エネルギー生産や冷房需要、淡水化事業などのため、1人あたりの排出量が非常に高くなっています。
- パラオの特殊性:1位のパラオは、極めて人口が少ない一方で、観光インフラや輸入依存のエネルギー構造、あるいは国際輸送の割り当てなどの要因により、計算上の「1人あたり」が跳ね上がる傾向にあります。
- 総排出量トップとの違い:中国は総排出量では圧倒的1位ですが、1人あたりで見ると約11.3トンと、まだロシアやアメリカより低い水準です。
中東諸国の生きづらさ?
これまた予想外の結果となりました。
なんとなくドバイのゴージャスな街並みを映像で見ると、「ものすごいエネルギーを消費し続けているのだろうなぁ」という印象はありましたが、実際にランキングに現れると、その実感が強まります。
特に飲料水といった「日本ではあたり前のインフラ」は、中東地域ではコストが大きく異なり、まさに「価値観の違い」があらわになりました。
ただ、このランキングからは「地域や国のあり方の独特の事情」が垣間見えることから、一概に悪いとは言えないような気がしてなりません。
「日本での当たり前が、他国では莫大なCO2排出を伴う生存活動である」という視点は、環境問題を考える上で欠かせないはずです。
やはり純粋な排出量の大きさが問題なのでしょうか?
無駄遣い、贅沢なCO2使用という観点ではどうでしょう?
③2024年富裕層 vs 庶民 CO2排出量格差ランキング|南アフリカ40倍超の衝撃

| 順位 | 国名 | 排出格差(倍率) 上位10% vs 下位50% |
主な要因・背景 |
|---|---|---|---|
| 1 | 南アフリカ | 約40倍〜 | 世界で最も不平等とされる所得格差が直結 |
| 2 | ブラジル | 約30倍〜 | 富裕層によるエネルギー多消費型の生活 |
| 3 | アメリカ | 約20倍〜 | 航空機利用や広大な邸宅、過剰な消費 |
| 4 | 中国 | 約15〜20倍 | 都市部の富裕層と農村部のエネルギー格差 |
| 5 | インド | 約15倍 | 低所得層がエネルギーにアクセスできない実態 |
| 6 | サウジアラビア | 約12〜14倍 | 超富裕層の突出したライフスタイル |
| 7 | メキシコ | 約12倍 | 中南米特有の構造的な所得不平等 |
| 8 | ロシア | 約10〜12倍 | 新興財閥(オリガルヒ)への富の集中 |
| 9 | インドネシア | 約10倍 | 新興富裕層の消費拡大 |
| 10 | 日本 | 約8〜10倍 | 先進国の中では中程度だが、着実な格差 |
出典:World Inequality Database / Oxfam 推計等に基づく
補足:所得層別のデータ(富裕層 vs 庶民層)については、主に「World Inequality Database (WID)」や、それを用いた「Oxfam(オックスファム)」、あるいはトマ・ピケティ氏らの研究チームが推計を出しています。
これら信頼できる外部研究機関の最新推計(2023-2025年にかけての報告)に基づいた一覧です。
データのポイント
・グローバルな傾向:世界全体で見ると、最も豊かな上位1%の排出量が、最も貧しい下位50%の合計排出量よりも多いという衝撃的な報告もあります。
・先進国 vs 途上国:先進国(日本など)は、下位50%といっても最低限の電力やインフラを使うため、倍率自体は途上国ほど極端に開きにくい傾向にあります。
3.日本は本当に「多い国」なのか?
ここまで3つのランキングを見てきましたが、では日本は結局「多い国」なのでしょうか。
まず総排出量では、日本は世界8位(約1,000Mt CO2eq前後)で、世界シェアは約1.9%です。 中国(約30%)やアメリカ(約11%)と比べると、桁が一段違う水準です。
次に1人あたり排出量を見ると、日本は約8トン。 世界平均(約6.6トン)よりはやや高いものの、アメリカ(約17トン)や中東諸国(20〜40トン超)ほど突出してはいません。
さらに富裕層と庶民層の排出格差では、日本は約8〜10倍と推計されています。
南アフリカ(40倍超)やブラジル(30倍超)と比較すれば、極端な不平等構造とは言いにくい水準です。
これらを総合すると、日本は
・世界トップクラスの大量排出国ではない
・しかし「無関係」と言えるほど小さくもない
・格差は存在するが、世界最悪水準でもない
という、やや中間的な立ち位置にあることが分かります。
「日本は悪者なのか?」という問いに対する答えは、
単純なイエスでもノーでもなく、
“目立たないが、責任ゼロでもない国”
というのが、データから見える実像ではないでしょうか。
4.私の所感
3つのランキングを並べて分かったのは、「排出量の多さ」と「格差の大きさ」は必ずしも一致しないという事実でした。
そうした中での私の印象としては、「排出量が多く、かつ富裕層と庶民層との格差の大きい国」ほど抜本的な改革が必要なのではないかと感じました。
つまりは、中国、米国、インド、ブラジルあたりが私は気になりました。
対して日本はランキングにこそ載っていますが、いまいち(良い意味で)存在感がない印象です。
このような国が化石賞※を受賞するのだから世も末です。
※国連の気候変動会議(COP)期間中に、地球温暖化対策に後ろ向きな発言や行動をした国に対し、環境NGOネットワーク「CAN(Climate Action Network)」が毎日授与する「不名誉な賞」
もちろん他国の政治に口出しするのは内政干渉でしょう。
しかし一個人としてみると、仮に地球温暖化の主要因がCO2であるならば、これらの国にはもう少し自粛を求めたいところです。
5.よくある質問Q&A
Q.地球温暖化はCO2が要因なの?トランプ大統領は否定していなかった?
A.科学的な主流派はCO2説ですが、政策決定の過程には政治や経済の利害も影響すると指摘する声もあります。
この記事では「もしCO2が原因だとしたら、誰が一番の責任者か?」をデータで突き詰めています。
Q.2024年CO2排出量ランキングで日本は本当に8位ですか?
A.はい、EDGAR 2025レポート(2024年データ)によると総量8位(約1,000 Mt CO2eq)です。減少傾向が続いている点も特筆されます。
Q.日本が化石賞を受賞し続けるのはなぜ?いじめじゃないの?
A.石炭火力発電の継続などが理由とされますが、排出総量が減っている日本が狙われるのは、政治的な側面があると指摘する声もあります。
6.おわりに:他山の石とは言うけれど
こうした時、きれいなまとめ方をして、「他国のCO2排出の多さを実感しました。しかし私達も反省するべき点はあるのではないでしょうか?私達の生活を見直しましょう」と言うのは簡単な話です。
ただ私の感覚では日本は国を挙げて対策をしていますし、私の家の暖房も16度設定で、電気毛布などを駆使して省エネで生きています。これ以上何をすればいいの!と怒りすら湧いてくるのが本音です。
こちとら生存のためにCO2削減せざるを得ないんじゃい!旅行にもいけないんだわ!と話が飛躍してきそうです。
CO2の排出って、私には生きるコストなんですわ。
望んだってCO2排出量を増やせないのが私の現実です。
そのように無意識に感じていたからこそ、「私は地球温暖化問題に懐疑的」なのかもしれません。
図らずとも、自分の内面が世界とつながった瞬間でした。
みなさんは、CO2をたくさん排出していますか?
それはもしかすると、私から見て「とても豊かで幸福な生き方」なのかもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました🐻
2026年1月の米によるパリ協定の再離脱から地球温暖化について考えた記事はこちら
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参考:欧州委員会(JRC)HPより
EDGARの「2025年版レポート(GHG emissions of all world countries - 2025 Report)」