
1.チャートを見て抱いた違和感
最近、イランで抗議デモが広がっているというニュースを目にしました。
その理由として、通貨安や物価高による生活の悪化が挙げられています。
私はまず、為替チャートを自分で確認してみました。
イランリアルと米ドル、そして日本円との比較です。
短期的な為替の変動を見る限りでは、
「ここまで大規模な抗議につながるほどの急変だろうか」という印象を持ちました。
Google検索で見るイランリアル通貨と日本円のチャートでは、5年間でむしろ円安傾向でした。
また対ドルにおいても、5年間のチャートでは、横ばいであり、ここ1週間ほどでリアル安になっているように見えました。
私はついつい「私の調べ方?見方が間違っている?」と感じました。
(補足:Google Financeなどの公開チャートが公式レートを基にしている場合、非公式市場レート(実勢レート)の急変を反映しにくいようです)
変動幅は確かにあるものの、ぱっと見で一目で理解できるほどではありませんでした。
それほど、私の検索結果では違和感を覚えませんでした。
むしろ日本の円安の方が危険水準では?と思うほどでした。
しかし、現地の街角には抗議の声があふれています。
このズレが、私の関心を強く引きました。
2.為替チャートが映さないもの
為替チャートが示しているのは、あくまで「どれだけ動いたか」という数字です。
しかし実際に生活に影響を与えるのは、どの水準でその変化が起きたかです。
イランリアルはすでに、
1米ドル = 100万リアルを大きく超える水準まで価値を失っていました。
そこからさらに下落しています。これは変動率以上に、購買力の土台そのものが弱っている状態を意味します。
為替レートそのものだけを見ていると、
その重みは伝わりにくいのです。
3.日本円換算で見る、イラン市民の生活感覚
ここで、具体的な生活費を日本円で置き換えてみます。
以下は複数の資料を基にした概算です。
・最低賃金水準の月収:約2万円程度
・パン1個:100〜200円
・最低限の1食:300〜600円
・郊外の家賃:3〜5万円
これをひとつの感覚で置き換えると、地域差がある前提ですが、
日本で言えば、
月収2万円で、
1食500円、
家賃5万円の生活
という状況に近いです。
この条件では、食事だけで収入を超えてしまいます。
住居や衣服、光熱費、医療などに支出する余地はほとんどありません。
4.削れるものが、すでにない現実
このような生活感覚では、
「節約すれば何とかなる」という段階は通り過ぎています。
実際には、
・食事の回数を減らす
・パンや炭水化物中心になる
・親族との同居が当たり前になる
など、
必要最低限の生存ラインを保つための行動が常態化しているようです。
光熱費や交通費といった“削りようのない支出”だけでも、
月収の大部分を埋めてしまいます。
5.抗議デモは「生存の限界」を示している
「抗議デモ」と聞くと、政治的な主張や体制批判を思い浮かべがちです。
しかし今回の抗議の背景には、もっと手前の問題があると思われます。
それは、
来月をどう生きるか
今日の食事をどう確保するか
という、生活の最前線の問題です。
既に生活が切迫している中で、
通貨価値の低下がさらなる物価上昇をもたらす。
このような現実は、数字だけでは測れません。
6.数字の外側で進行する「あたりまえ」の崩壊
為替チャートは、金融の世界では意味を持ちます。
しかし、通貨安が生活にどのように直結するのかは、チャートの中には現れません。
人々が実際に街に出るのは、単なる不満からではありません。
そこにあるのは、「あたりまえ」が手に入らないつらさではないでしょうか。
私は普段から、「~であるべき」という固定観念を持つことには警戒心を持っています。
しかし、「正当に働いて、なお生活を維持できない」という状況は、決してあたりまえのことではありません。
就労という社会的な営みを果たしていながら、それでもなお生存ラインを割り込んでしまう。
その理不尽さと、そこから生まれる絶望感や恐怖は、部外者である私には想像も及ばないほど過酷なものかもしれません。
人々が街に出るのは、仕事への不安といった言葉を超えた、「生存そのものの叫び」なのだと感じます。
7.生活を支える力が削がれたとき
為替レートや経済指標は、
私たちの実際の生活感覚とは必ずしも一致しません。
数字の変化が思った以上に感じられなくても、
生活の限界点は、数字では測れないところにあります。
イランで起きている抗議デモは、
そのことを強く示しているように思えます。
8.最後に、共感としての距離
私はこれまで、
自分自身の生活に関わる不安や先行きの課題と向き合ってきました。
それは、日本とイランという全く異なる環境にあっても、
生活のラインが削られていく恐怖という点では、
どこか重なる部分があるように感じられました。
ただし、イランで暮らす人々の現実は、
私の日常よりはるかに厳しいものです。
為替チャートだけでは見えない現実――
それを知ることから、私たちは「経済」という言葉の奥にあるものを考え直す必要があるのではないでしょうか。
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