
本記事は宗教に関するワードに触れますが、筆者であるT-Kuma自身に特定の宗教を評価や批判する意図はありません。
1.導入
最近印象に残っている言葉に次のようなものがあります。
「支援が必要な人ほど、この人を支援したいと思えるような見た目や言動をしていない。」
これは哀しい真理であると感じます。
衣食足りて礼節を知る、という言葉もあります。
余裕が無ければ人は他者を想える余裕なんて持てないでしょう。
そんな人が避けられるのは自明の理です。
鏡に映る自分が見えます。
2.悪人だからこそ救われるって話もあったことを思い出す
「善人なほもて往生を遂ぐ、いはんや悪人をや」という言葉は、鎌倉時代の僧・親鸞の教えを記した『歎異抄(たんにしょう)』の第三章に登場する一節です。
これは「悪人正機(あくにんしょうき)」と呼ばれる浄土真宗の根本的な考え方を示しています。
意味の解説
一般的には「善人が救われるのだから、悪人が救われるのは当然だ」という、道徳的な常識とは逆の論理として知られています。
その真意は以下の通りです。
・善人の自惚れ:
自分の力で善いことをしていると考える「善人」は、自分の力(自力)に頼る心が強く、仏(阿弥陀如来)の救いにすべてを任せることが難しい 。
・悪人の自覚:
自分は罪深く、自分の力ではどうしようもない存在だと自覚している「悪人」こそが、仏の慈悲を必要とし、阿弥陀如来の救い(他力)に最もふさわしい対象である。
・阿弥陀如来の本願:
仏の慈悲は、自分自身の力では救われないほど苦しみ、悩む存在(悪人)を救うためにこそある。
ここでいう「悪人」とは、単に犯罪を犯した人のことではなく、
「煩悩を抱え、自分の力だけでは正しく生きられない、すべての人間」
を指しています。
私の所感
改めて読んでみると「鎌倉時代にも逆張りのニーズがあったのかなぁ」なんて皮肉が生まれます。
ただ単純に面白い、興味深いと思ったフレーズは最後の部分、
「ここでいう『悪人』とは、単に犯罪を犯した人のことではなく、『煩悩を抱え、自分の力だけでは正しく生きられない、すべての人間』を指しています。」
というところでした。
まぁ全ての人間とは言っていますが、認知や思考に偏りのある私は、間違いなくここで言うところの「悪人」なんだと思います。
まさか自分が今生において、この教えでいう『悪人』に該当する存在になるとは思いもよりませんでした。
すこしフフッと笑えてきます。
そのように強い言葉で評されると、かえって心に軽さが生まれる気も少しだけします。
3.あらためて哀しく、そして面白いなぁと思う
支援が必要な人ほど支援から遠い場所にいる現実があります。
これをまじめに捉えると、社会的構造の欠陥だ!なんて表現になるでしょうか?
ネットミーム風に言うと、この世のバグだらけ!!不具合だ!だから人生クソゲー!なんて表現もできるでしょう。
もう少し抽象化すると、「欲する人ほど手に入らない」となるかもしれません。
興味深いです。
手に入れようとしているのでしょう。
足りていないのは、
努力でしょうか?
手法でしょうか?
時間でしょうか?
それとも環境でしょうか?
あるいは、私自身の「選択」の結果なのでしょうか。
私の社会からの断絶の一因には、自身の選択もあることでしょう。
障害特性から、どうしても他者の言動を許せなかった。
だから自ら離れた、という一面はどうしても否定できません。
「救われたい」と願いながら、自ら救いの手から遠ざかる矛盾がそこにはあるのかもしれません。
4.おわりに
いま、こうして手を伸ばしても、
触れるのはキーボードとコップだけです。
救いはどこにあるのかなぁと、ひとりごちるばかりです。
それでも、ふと親鸞の言葉を思い出します。
『煩悩を抱え、自分の力だけでは正しく生きられない、すべての人間』が救いの対象だという、その考え方です。
それが本当かどうかは、正直なところ、私にはまだ分かりません。
ただ、もしそうなのだとしたら。
いま支援から最も遠い場所にいるように感じる人ほど、
最初から対象外だったわけではない、
――その可能性だけは、完全には否定しきれない気がしています。
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