この言葉は正しいはずなのに、なぜか心に刻まれません。
この記事は、政治関連の話題をきっかけに人生のあり方を考えたエッセイです。
1.はじめに
「水に流す」という言葉もいずれ使われなくなるのかもしれません。
Yahoo!ニュース(2026年2月18日(水) 11:30配信:中日スポーツ)
記事概要
高市早苗首相の公式サイトからブログ(コラム)記事が全て削除された疑いが浮上している。
ウェイバックマシンによると、1月23日時点では存在していたが、1月29日以降消失。
2月7日以降は「更新準備中」と表示され、現在は直接アクセスでエラーとなる。過去記事には消費増税に理解を示す内容もあったため、SNS上で「隠滅」との批判が相次いでいる。
私の所感:
事実だとしたら悪手なのは論を待たないでしょう。
インターネットの世界では、「削除したら無かったことに」とはいきません。
Webサイトの過去の姿を保存・閲覧できる無料のWebサービスウェイバックマシンだけではなく、個人がスクリーンショットやPDFに保管するといったシンプルな手法もあります。
過去を無かったことにすることは、ますます困難になっています。
そんなニュースから、ふとこの言葉を思い出しました。
過去と他人は変えられない
本来はメンタルヘルス界隈で語られる言葉です。
今回はこの言葉の深掘りや私の捉え方についてまとめてみたいと思います。
政治の世界でも個人の人生でも、不都合な過去を消し去りたい衝動に駆られることはあります。
しかし、過去と他人は変えられない。
2.過去と他人は変えられない、しかし
①概要
「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来」は、カナダの精神科医エリック・バーンが残した言葉とされています。
しかし、アドラー心理学の根幹である「自分の人生は自分で選べる(自己決定性)」と深く通じており、アドラー心理学の書籍や解説で非常によく引用されます。
他者を変えようとせず、今この瞬間から「自分がどう行動するか」を選択することが、自由と幸福への鍵と説きます。
②うつ病での休職を例にすると
休職要因の典型的なパターンとして、「職場のここが悪かった、上司が悪かった」と、他責の思いが強い状態が続く場合があります。
すると自身の改善の可能性を見落とす可能性が高くなってしまいます。
何事も完全に一方が悪いというケースは少ないため※、せっかくの職場との合意形成の機会を損なう恐れもあります。
※無いとは言いませんし、時にはブラック職場もあり得ます
いずれにせよ、他人を変えることよりも、自分自身を変える方が「コストが低い」可能性が高いとも捉えられます。
職場(環境)を変える、つまり転職の前に、自分ができること(新たな行動)は無いか、模索することが大切と言えます。
③私の解釈:いや変えられるのでは?
「過去と他人は変えられない」、それは一つの真理かもしれませんし、そう考えることが前向きに生きるヒントなのかもしれません。
しかし私は思います。
「過去の意味は変えられるし、他者へアプローチする自分を変えることで、他者も変えうるのでは?」と。
辛いことの多い人生でした。
でもステレオタイプな表現かもしれませんが、過去の辛い出来事を経験値として捉えることも決して不可能ではありません。
ここで重要な点として、「私にとって過去の辛い出来事は心の傷になっている」ことを否定はしたくありません。
辛かった、でも価値もあると思える。そういうことです。
過去の清算、という言葉ともニュアンスは少し違うかなと思います。
水に流すことでも当然ありません。
単純に良い思い出だったとするのは勘弁です。
ただ、辛い過去があって、それでも今、自分がある。
その連続性において、何かしらの価値がある、私はそれを願っています。
3.おわりに:私なりのささやかな抵抗であり、希望
今回のニュースのように、不都合な過去を物理的に「消去」して、なかったことにしようとする試みは、どこか虚しさを伴います。
デジタルタトゥー(一度ネットに残った情報が消えないこと)という言葉がある通り、外の世界にある記録を完全に消し去ることは不可能です。
しかしそれ以上に、「自分の中にあった事実」を消そうとすることは、これまでの自分の歩みを否定することにも繋がりかねません。
消せない過去にはそれだけの大切な何かがあるのだと思いたい私がいます。
エリック・バーンの言葉が教えるように、確かに起きてしまった出来事や、他人の考えを力ずくで変えることは困難かもしれません。
けれど、私はこう思いたいです。
「消したいほど辛い過去」や「思い通りにならない他者との軋轢」も、今の自分がどう向き合うかという解釈(意味付け)次第で、変えていける可能性があるのだと。
その積み重ねこそが、生きづらさの中で見つけた、私なりのささやかな抵抗であり、希望であってほしいと感じています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました🐻
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